季節はいつの間にか、暑い季節となり・・・ 多摩川にもバーベキュー(以下BBQ)やサイクリング、ジョギングやウォーキング等のレジャーを楽しむ方が増えてきました。
この季節、毎年発生するのが水難事故です。
今までの例を見ると、その大半が、飲酒後に水の中に入り溺れてしまうケースが多いです。
また、過去には、大人がBBQや話に夢中になっている一瞬の間に、小さなお子様が川に落ちるという事故も発生しました。
多摩川は、近年、水質も綺麗になり、たくさんのレジャー客が訪れるようになりました。が、それに伴い、毎年、水難事故が多数発生しております。
多摩川が綺麗になった理由は、周辺流域で下水道整備が進み、生活雑排水の流入がなくなったという要因も大きいのですが、実は、他にも要因があるのです。
多摩川は、首都圏でも珍しく、今も自然堤防が多く、様々な生物が棲みやすい環境が整っており、これらの生物が、川の浄化作用を促進していると考えられています。
また、水難事故の要因にもなっている、川底の豊富な湧水が川を浄化しているのです。
多摩川は、今でこそ、川幅が狭くなりましたが、元々、水量の豊富な川でしたから、浅そうに見えても急に3メートル以上の水深になる場所がたくさんあります。
この水深の深いところに、冷たい湧水が流れ込み水溜まりとなっている場所が多いのです。
以前、私は水難事故直後に現場を訪れ、約2時間後に社会人の男性が、川底から水難救助隊の潜水隊員に引き上げられた様子を見守っていたことがあります。
その肌の色を見たとき、2時間で、人間はこんな姿になってしまうのかと・・・恐ろしくなりました。
引き上げられた男性を、見つめる仲間たち・・・ その傍らで、大声で泣き叫び錯乱状態に陥っていた彼女・・・
BBQで楽しんでいる最中に、仲間が貸しボートを借りて川岸から20mほどの所に漕いでいき、男性は、そのボートに向かって泳ぎ着こうとして川に飛び込んだそうです。 わずか10mも進まずに彼は溺れ、水中に消えていったようです。
元々、服を着たまま泳ぐことは危険な行為だし(想像以上に身体が重くなり、身体を動かし辛くなります)、アルコールを飲んで泳ぐのも危険です。
また冷たい水温は、身体の自由を奪います。
ここ数年、多摩川の水難事故のほとんどが死亡事故に直結しています。
私たち、地元の人間にとって、多摩川でこのような水難事故が毎年何度も繰り返されるのは悲しいことなのです。
多摩川近くの弊社管理物件にご入居している皆様だけじゃなく、多摩川に遊びに来られる皆様。
ですから、絶対守ってくださいね。
川に飛び込んだり、泳がないでください。仲間が泳ごうとしたら、強い制止をお願いします。 レジャーに夢中になって、小さな子供の存在を忘れないでください。一瞬でも目を離さないでください。
実は、本日も多摩川狛江市側で水難事故が発生し、捜索ヘリコプターがあわただしく飛び回り、消防・警察・水難救助隊・救急が川崎市側でも出動しました。
2名の遭難者は、救出されたようですが・・・(生命の安否は不明)
楽しいBBQ、楽しいレジャーは、楽しいまま思い出の1ページにしてもらいたいものです。